既存のパクリでなく、オリジナル要素が多いのは非常に高評価。基本的に点在する野生生物に乗り移って戦うため、キラー/ハンター/カミはかなり頭を使う。サバイバー/ヒトについては後述。
世界観も良く、和風ホラーとして十分成立する雰囲気に仕上がっている。
問題はそのゲームシステムで、
バランスが崩壊している。
そもそもガチャで入手した武器(消耗品)を対戦に持ち込めることがおかしいのだが、
一部の武器(グレネードランチャー、ショットガン)は野生動物のオオカミを「一撃」で消滅させられる。
さらに、顕現体というカミが巨大化した進化形態すら「一撃」で4秒間動きを止められる。
文字通り「一撃」で、しかもオートエイム。
さらに、銃の弾薬は多い上に連発可能。
キャラ制限もなく、全キャラで使用可能。
ヒトはカミを見つけ次第銃をぶっ放せば討伐可能であり、オートエイムであるためカミ側は避けることもできない。
カミ側は1ダメージ与えるのがやっとで、ダウンは夢のまた夢、解読圧などという概念は存在しない。
もはやどちらが鬼かわからない状態。
さらに、ヒトは動物の攻撃が当たらない窓枠の上に立って待機することができる。
こうされるとカミは「擬態」(ヒトの姿になって動ける)を使って追うしかないのだが、この擬態形態は何の能力も使えない上に、「ヒトよりも足が遅い」。
仮に武器を持ってこなかったヒトであっても、とりあえず窓枠に全力で逃げて後は上で待機すれば攻撃は当たらず、擬態してきたら動き回れば追いつかれない、と窓枠にさえ行けば完全に無敵となる。
締めはヒトの脱落条件で、
既存のゲームでは大抵「3回吊られると脱落」「ダウン後に長時間放置されると脱落」などの仕様があり、脱落を巡った攻防があるのだが、なんと今作は
「ヒトが脱落しない」。
これは誇張なしで、何回瀕死になろうと、どれだけ長時間瀕死になったまま放置されようと脱落することはない。
その上、ダウン中は這いずってかなりのスピードで移動可能である。
これが意味するのは、キャンプが無意味だということだ。
どれだけ放置しても死なないので、基本的に救助はせず、自力で這いずって脱出ゲート付近まで移動する。最終盤になってゲート前でカミを倒しつつ救助し、全員脱出。
相手が知識のあるプレイヤーだとこれが毎回行われる。
なお、救助もやろうと思えば全く簡単で、
先述のように野生動物は一撃で倒せるため、カミが救助者に攻撃する方法はなく、救助は確実に成功する。
しかし、解読効率が落ちる関係上、救助にわざわざ来るヒトは少ない。
おわかりいただけただろうか。
カミが勝利するのは絶望的に困難で、相手がゲームの仕様を理解していないプレイヤーでない限り確実に負ける。
そう皆分かっているため、カミ側の人口は非常に少なく、ヒト側だと全然マッチしない。
それでもカミで戦う、という私のようなドMプレイヤーはプレイしてみてはどうだろうか。
少なくとも、DBDや第五人格、DBDBDなどで「〇〇有利!」などと叫んでいる奴らがいかに些細なことで争っているのか悟ることができる点で教育的な価値はあると思わなくはない。